アンクールジャパン

「クールジャパン」

ここ10年ぐらいで、日本の新聞やテレビ等のメディアでやたらと日本の社会や文化のことを褒め称える傾向が顕著になってきました。がこの現象に最初に気づいたのは、「クールジャパン」という聞きなれない言葉を聞いたときでした。「クールジャパン」は、NHKの番組の名前だったのですが、同名の日本政府の政策があるということを後で知りました。これは私にとっては衝撃的でした。

確かに英語のcoolという単語には「カッコいい」と言う意味があります。しかし、自分で自分のことをcoolと言っている人ほどダサイものはありません。 そもそもcoolな人は物事に対して基本的に冷めているからこそcoolなのです。だから「クールジャパン」という名前は基本的に矛盾してるのです。

「日本は衰退しました」

さて、名前だけの問題なら特にここで取り上げる必要はないのです。が、私にはこの名前が今の日本の経済的・文化的な行き詰まりを非常に如実に表している、と思われてならないのです。そもそも日本が経済的に豊かならば、このような政策は必要ないのです。わざわざ日本文化を持ち上げて海外に宣伝しなくてもいいのです。本当にその国が豊かなら、みんな勝手に真似してくれます。

私は1990年代後半にアメリカに渡り、日本に2020年に戻ってきました。戻ったときに非常に強く感じたのは、日本の経済はもう二度と復活しないのだろうな、ということでした。諸外国に比べると、IT革命に乗り遅れた日本社会は致命的に効率が悪すぎるのです。実際に相対的な日本人の経済力は減り続けています。下の国別の一人あたりのGDPのグラフによると、日本(赤)はアメリカ(青)には倍違い差をつけられてしまっています。お隣の韓国(オレンジ)や中国(緑)に抜かれるのも時間の問題でしょう。しかし、この問題が日本のメディアで取り上げられることはまずありません。一体なんでこんなことになってしまったのでしょうか。

国別の1人当たり名目GDP の推移(IMF統計)

人口崩壊

この日本経済の衰退は、日本の人口政策の失敗と無縁では有りません。それは、下記の日本の人口ピラミッドを見ていただければ一目瞭然です。本来なら人口ピラミッドは上が細く、下にいくにつれて広くなっています。しかし、下のグラフは現在40代後半のいわゆる団塊ジュニアの世代を最後に、世代別の人口が減り続けていることを示しています。

日本の人口ピラミッド (2021年)(出典:Wikipedia)

これは非常に危険な兆候です。このままでは若い世代の負担が相対的に大きくなるばかりです。遠くない未来に日本の経済は崩壊しかねません。先日かのイーロン・マスクが「人口崩壊は地球温暖化よりも深刻な問題である」と発言しました。このときに彼が真っ先に例としてあげていたのが日本でした。

偏向報道の本当の意味

このような深刻な問題があるのに、一体日本政府は何をしているのでしょうか。結論から言えば、日本政府は肝心の問題から国民の目をそらすために一生懸命なのです。アニメや漫画を「クールジャパン」の一環として持ち上げているのは、その最たる例です。本当にごく一部の名作を除いて、漫画やアニメは現実逃避の産物です。現実の問題を解決する助けにはならないのです。

以前サンフランシスコにあるウォルトディズニーの博物館で、不思議な話を聞きました。ディズニーランドは冷戦の時代に建設されまた。これは核戦争への恐怖から国民の目をそらすためだった、というのです。VIP用の核シェルターも敷地内に完備されていると聞きました。これは突拍子もない話に聞こえるかもしれません。が、今の日本の状況もそっくりだといえます。最近の異常気象と二酸化炭素による地球温暖化との関連は疑いようがありません。しかしながら、そんな話はメディアには一切出てきません。誰も当てにならないのです。結局我々には、一人一人がこの厳しい現実から目をそらさずに、現実逃避しないで生きていく道しか残されていないのではないでしょうか。

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