脳深部刺激療法(DBS)体験記 調整編 その3

(その2からの続き) この投稿では、DBS装置の調整時に発生した精神症状についてスタッフの対応を中心に報告しています。

戸惑う神経内科のスタッフ

前回の記事で私は自分が電気刺激が強すぎて衝動的に自殺をしかねないと書きました。実際にどれぐらい危険だったかというと、すぐにでも自殺しかねないぐらいでした。私は12階の自室の窓を叩き割って飛び降りたいという衝動を必死に押さえ続けました。すぐに看護師さんを呼んで、自分の置かれている状況を説明しました。しかし、その看護師さんは非常に驚いた様子で、忙しい主治医を呼ぶべきかどうか迷っていたようでした。私が非常事態であるということを明確に告げると、彼女は私を置いて先生を呼びに行こうとしました。私は慌てて誰か別の人に先生を呼びに行ってもらうように頼みました。

脳深部刺激療法と自殺願望

脳深部刺激療法を受けた患者が自殺をすることは珍しくないようです。このことは後で調べてわかりました。ただ、私のいた病院ではパーキンソンセンターができたばかりでした。脳深部刺激療法の手術自体が私のものでまだ3例目だったそうです。このような事情でスタッフが私のような患者への対応に慣れていなかったのでしょう。

精神科のスタッフの対応

その後すぐにやってきた主治医の先生と相談して、精神科医の診察を受けることになりました。やってこられた先生は流石に手慣れていた様子でした。その方は手術前に測定した私の知能指数が高かったことに驚いた様子でした。だから、私が閉鎖病棟で残りの人生を過ごすことは非常に不幸であるとおっしゃいました。それを踏まえた上で、絶対に自殺はしないと約束して欲しいと言われました。手術を受けてから数年経ちますが、この時のことは忘れることができません。この方の信頼を裏切りたくないと、今でも強く思います。(その4に続く)

参考文献

Voon, V., et al, A multicentre study on suicide outcomes following subthalamic stimulation for Parkinson’s disease, Brain, Volume 131, Issue 10, October 2008, Pages 2720–2728, https://doi.org/10.1093/brain/awn214

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です